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木造耐火建築新築工事(昭島市昭和町N様邸)木工事(土台敷)

昭島市昭和町木造耐火建築新築工事が本格的に始まりました。 木造建築と言えば『大工工事』。 材木を切ったり組み立てたり。 その最初の工事が『土台敷』です。 建造した基礎の上に『土台』と呼ばれる木材を設置する工事です。 この工事のポイントは、基礎屋さんが設置してくれた『アンカーボルト』や『ホールダウン金物』の位置をできるだけ正確に出し、土台に穴を開けることです。 しかし、一見簡単そうに思えますが、『アンカーボルト』や『ホールダウン金物』は基礎の立上りにコンクリートを打設するときに、現場で設置しております。 これは基礎とアンカーボルト等を一体化するために行っております。 現場では職人さん達が出来るだけ丁寧に作業を行ってくれていますが、機械加工の様にはいきません。 その不規則なモノに合わせるのは『至難の業』という訳です。
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最近の建築では材木は工場で『プレカット加工』を行い現場に搬入して参ります。昔のように大工さんが現場で『カンナ』や『ノミ』で加工することは珍しくなりました。

その為、かなりの精度の材木が搬入されてまります。大工さんの腕による仕上がりの差が非常に少なく安定した品質で建築が出来るようになっているのです。

『プレカット』以外でもできるだけ現場加工を減らし、品質の高いレベルでの均一化を行っています。

因みに、私はこれを『プロダクト住宅』と呼んでいます。

この『プロダクト住宅』の中でも基礎だけはいまだに人の力が大半を占めています。

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大工さんが土台の位置出しをやってくれている間に、私はというと『防蟻・防腐材』を材木に塗布しておりました。

『防蟻』とはシロアリを寄せ付けない為の処理のことです。

普通は、『消毒屋』とか『防蟻屋』とかいう業種の方のお仕事です。建築工事の流れ的に『土台敷』が終わり『上棟=建前』をした後に現場に入って作業をします。

ここで私は疑問を感じています。確かに床下に潜り『噴霧器』で防蟻材を散布はしてくれます。

但し、材木と材木の『継手や仕口』部分は防蟻処理されないのです。さらにいうと上棟後であれば、当然床の合板を設置してしまっている状態です。材木の上面に合板を釘で止めるので『土台』や『大引き』の上面は防蟻処理されていない状態になるのです。

以前現場に来た『消毒屋』の職人さんに聞くと、やはり塗布できないところもあるので5年の保証も難しいとこぼしていました。

プラモデルを創るときでも組み立ててから塗装すると、どうしても塗れない箇所がでてくることがあります。それと同じことなのです。

部品の状態で施工することでまんべんなく塗れるということなのです。これが私の『モノ創り』としてのこだわりなのです。

なので、私が責任を持って全て処理しました。

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こういった複雑な形のところもしっかりと塗っておきました。

よくこの『防蟻』作業を減らす為に『注入材』という工場で防蟻処理をおこなった材木を使用される工務店さんもおられますが、工場では防蟻処理した材木をプレカットすることがほとんどです。

ということは、折角防蟻処理した材料もプレカットで削ってしまうので、やっぱり『継手や仕口』は防蟻処理できていないのです。

注意書きで『継手部・仕口部は防蟻処理してください』ありますが、あまり施工されている現場をお目にかかったことがありません。要するに、施工する人の感覚に依るものだとおもいます。

大工さんは大工工事を行うために現場に来ています。『消毒屋』ではないのです。

この業界にある難しい問題だとおもいます。

それはさて置き、何とか現場は『土台敷』が終わりました。

『枡組』が夕日に照らされてとても美しかったです。

 

私は久しぶりの太陽の光にやられて少し熱中症気味で頭痛と闘いながらこのブログを書いています。