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木造耐火建築新築工事(昭島市昭和町N様邸)フローリング工事

昭島市昭和町木造耐火建築新築工事現場では、造作工事の真っ最中です。 間仕切り工事がほぼ終了し、フローリング工事に入りました。 お引渡しに向け、造作工事も順調に進んでおります。 今後、床ができ壁が張られ、日に日に住宅らしさが増していく現場です。  
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少しフローリングのお話をしたいと思います。

フローリングは一年を通して朝起きて、夜寝るまでに触れないことのない数少ない建材です。

その空間で生活する以上毎日触れている訳です。

なので、フローリングは見た目も大事ですが、触り心地(触感)や耐久性能、防滑性能、防汚性能、メンテナンス性能など数多くの性能を必要とされます。

現在、フローリングにはいろいろな種類があります。

大きくは『無垢フローリング』と『複合フローリング』と呼ばれる分類に分けられると思います。

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『無垢フローリング』はいわずと知れた単一材のフローリングです。

天然の樹を加工しています。

長所としては足触りがよく、暖かく感じるといわれています。靴を脱いで家に入るという文化の日本人にとっては、『触覚で空間を感じる』ということができます。

木材が日に焼け使い続けると『風合い』よくなると言われています。

住宅は、新築時がゴールではなく、解体される時がゴールです。住む家族とともに成長していくものなのです。

ゴールにたどり着くまでに『山あり谷あり』です。その記憶を汚れや、傷として刻み込めるのは本当の意味で住宅を楽しむことだとおもいます。

どうしても気に入らねければ単一材の為汚れたり、傷つくと削れると言われています。

短所としては、単一材で作られているため非常に高価でし、施工にも手間が掛かります。

以前、新築させて頂いたお客様に『ネットで買って持ち込みたいので施工だけお願いします』と言われ、施工をしたことがあります。

それは安価な輸入のフローリングで精度がなく、パイン材(杉)であったため、節は多く、さらにパテで補修した後がたくさんある材料でした。結果、施工に手間と時間が掛かり『高いモノ』になったしまった経験があります。

施工後も、木の性質上気温、湿度による『伸び縮み』が発生し、音が出る場合もあります。ひどい場合は気になって眠れないとおっしゃるお客様も過去におられました。

日頃のお手入れも重要ですね。今回は詳しくは記しませんが表面の仕上げによってメンテナンス方法が異なるので仕様に合わせてメンテナンスを行ってください。

無垢フローリングをお考えの方は十分ご注意ください。

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『複合フローリング』

現在、一般的に『フローリング』と呼ばれる材料です。合板を基材とし、銘木を薄く剥いだ材料(突板若しくは挽板)を接着し床材として使用しています。

無垢フローリングと比べ比較的安価です。最近では弊社のお勧めする朝日ウッドテック社の『ライブナチュラル』シリーズなどは風合いもよく、高いコストパフォーマンスを実現しています。

この『複合フローリング』は『無垢フローリング』の欠点を補完するために作られた商品です。

無垢フローリングと比べると材料の『伸縮』も少なく、施工性、均一性、メンテナンス性に優れています。

施工中や、住み出してからのトラブルは非常に少ない優れた商品です。

但し、深い傷が付くと中の基材となる合板が見えてしまい、補修対応となってしまいます。

欠点としては、高級なフォローリングでも無垢フローリングと比べるとやや風合いは落ちるかもしれません。

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複合フローリングの中にも、通常のフローリングと『直貼り(ジカバリ)フローリング』が存在します。

上の写真の上のフローリングは通常のフローリングです。

通常、木造などの木下地に使用しているフローリングです。厚みは大抵12㎜。(無垢は通常15㎜)

最近では6㎜(リフォーム用)の商品も出て参りました。

写真の下の物が『直貼りフローリング』です。大きな違いとしてはフローリングの裏にゴムやスポンジのような材料が貼り付けあります。厚みは13.8㎜程度。

通常、鉄筋コンクリート造(=以下、RC造)や鉄骨造(=以下、S造)の建物に使用します。

RC造やS造は床の下地がコンクリート又はALCとなっています。その際に木のフローリングで使用する『フロアタッカー(床用の釘)』などの使用ができません。そこで、『フローリング』の裏に専用の接着剤を塗って施工していきます。

前述した通りRC造やS造に使用されるということは、言い換えればマンションなどの共同住宅などに使用されるということです。

共同住宅の場合、下階の方にご迷惑を掛けないよう防音対策が必要になります。その際にこの裏に張られた、ゴムやスポンジが消音材となります。

コンクリートのスラブ(床)などは一見水平に見えても不陸(水平でない状態)しています。直接コンクリートに、通常のフローリングを張ってしまうと、水平に張れない上に、固すぎて長時間歩くと膝や足首がいたくなります(これは現場で経験済み)。さらにコンクリートから伝わる冷たさにも問題があります。このゴムやスポンジはそういった不具合にも対応してくれます。

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これだけ書くと『万能ではないか?』という声が聞こえてきそうです。

ところが、この『弾力感』が賛否両論なのです。私のお客様で鉄骨ハウスメーカーのHハウスのお住いのお客様はこの弾力感が好きで全てこのフローリングに変えてほしいとのご要望にお答えしたこともあります。

私個人的には少し『頼りない』感じがして・・・。

『足が地に着かない』感じです。必要なければ無理に使うこともないかと・・・。

価格面でも通常のフローリングよりは高く、専用の接着剤を必要とし、木造ばかりやっている工務店や大工さんでは扱いきれないといった欠点があります。

マンションリフォーム等をお考えの方は一度ご相談されることをお勧め致します。

 

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今回のこの現場は『木造耐火建築』です。

その為、1階は通常の木造の床と同じ構造ですので通常のフローリングを使用しています。

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2階は耐火構造の関係上、通常の床合板の上に強化石膏ボードを張っております。やはり相当固いです。長年住むことを考えれば、足腰に相当のダメージを受けると想像できます。

しかも、こちらの現場は二世帯住宅。

下にお住いの親世帯のことに配慮すればこういった『気遣いは必要』です。

今まで経験したことのない騒音が発生する訳ですから・・・。

親族だからこそ。

少しの心遣いでご家族が幸せになることができればこれほど良いことはないと思います。

 

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因みに、フローリングは張る方向も大切です。

部屋の長手方向に張っていかないと部屋が狭く見えたりします。

廊下も短手方向にはると、錯覚で広く見えなかったします。

通常であれば、ドアの下枠で見切ったりします。

しかし今回は大工さんの腕のみせどころとして見切りを使用せず張方向を変えていきます。

こうしたほうが空間全体として一連のつながりに見え、広く見えるからです。

こうして株式会社アーキライフの【こだわりの】新築工事は進んでいくのです。

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