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ナチュラルモダンな整骨院(いきげん整骨院) 解体工事

立川市高松町でテナント工事を承っています『いきげん整骨院』が着工致しました。 写真を整理していて気が付いたのですが、こちらのお施主様との出会いもすでに一年以上になることがわかり、時の流れの早さに衝撃を受けました。 こちらのお施主様いわゆる『院長先生(=以下S先生)』は昨年工事させて頂いた『クーア整骨院』の『院長先生=(以下A先生)』のご紹介でした。 クーア整骨院のA先生に気に入って頂き、ご同僚であったS先生も独立開業されるので相談に乗ってほしいとのことでした。 そしていろいろなご相談などをお聞きいたしました。 今回、事情があり『飲食店』を取り壊し『整骨院』をしたいということです。 以前にも、飲食店もデザイン・施工を行っていますが、どれだけ経営者の方が綺麗に使われていたとしても、やはり不衛生な部分が少しは残ります。 一方、整骨院というのはやはり半医療機関的な存在であるため『衛生面』での取り扱いは非常にシビアに行わなけれいけないと思っています。 そのあたりの心配はありましたが着工までたどり着きました。
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なにはともあれ解体工事を行います。

当然、古いお店を壊し、新しいお店にするために『更』にするという意味は大きいですが、それ以外にも解体工事を行うことで、既存店の作り方を知り、スケルトン状態がどうなっているか?を知る必要があります。

場合によっては予定していた配管が通らないなどの問題も発生する可能性もあるからです。

『開けてびっくり』も発生する可能性も多分にあります。

この解体工事を私自身が行うのはそういった状態になったときに、素早く次の判断を下す必要があるからです。

では解体工事現場の様子を見ていきましょう。

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解体前の様子。

ファサード:長年使いこまれた店舗の佇まいです。地域の皆さまに愛されていたのでしょう。

少し寂しい気持ちになりますね。

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客室:小さいながらも、うまく設計されていたと思います。

最小限の寸法で最大限のお客様を収容できるようになっておりました。

満卓になると少し通路が狭かったかもしれません。

常連さんたちの『後ろ、ごめんよ』という声が聞こえてきそうです。

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キッチン:決して十分とは言えないスペースではありました、収納がしっかり確保され一人で作業されるにはいいスペースだったのではないでしょうか?カウンターとの関係性によりキッチンの横移動がかなり長かったので、店先の焼き台と後ろの冷蔵庫の行き来には苦労なされたのではないでしょうか。

 

などと、当時の設計者の意図や、店主の思い、店の賑わい具合、お客さん同士の距離感なども感じることができます。

設計とはそういうモノなのだと思います。

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さて、解体工事に着工します。

大きなハンマーなどでバキバキ壊すのはプロとしてどうか?と思います。

できるだけゴミを出さないように釘やビスを抜きながら丁寧に解体していきます。

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カウンターの解体は結構大変です。

当時の大工さんがどこにビスまたは釘を打って作っているかが探りながらの工事となります。

そこは仲間の元大工が手際よく解体してくれました。

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今回、私たちを悩ませたのは土間のコンクリート解体でした。

通常飲食店の場合、キッチンの床清掃の時に水を撒けるように、調理スペースが客室より一段下げておくことが多いです。

今回の物件はその逆になっていました。キッチンの入り口の床は客室を同じ高さでしたが、冷蔵庫やシンクなどの什器が設置されていた場所は5センチ程度コンクリートが高く施工されていました。

物販などのお店であればその高い位置に合わせて床を張り、階段等で上がれるようにします。

しかしここは整骨院です。足腰に不具合が出てご来店されるお客様のことを考えるとできるだけ段差は減らしたと考えました。

そこで、土間を削岩機を使って壊すこととにしました。

 

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何とか、壊し終わってみると、どの袋で30袋分のコンクリートのガラが発生しました。

壊して、発生したガラを袋に詰めるだけで2時間は掛かりました。

 

でも、仲間の協力のおかげで何とかすべての解体工事が終わりました。

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問題視していたグリストラップも設備屋さんとできるだけ不要な配管を撤去し、汚水・汚泥を取り除き砕石を詰めて壊しました。

これでこんのグリストラップが原因で臭気が上がってきたり、ゴキブリなどの害虫が来ることはありません。

 

前述した通り私たちのような設計やデザイン・施工をするプロであれば『見ればわかる』訳です。

それが何年たっても。

なので何年か後、『いきげん整骨院』が繁盛されて移転されるときに、新しくこの店舗を作り変える業者が、『いい仕事してるね。』と思ってもらえるよう、恥じない仕事をしたいと常に思っています。

 

さあ次はごみを片付けて造作工事に入っていきます。(といっても、工事が混んでいてすぐには無理なのです・・・。S先生ごめんない。)

  • Before

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    After

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